コルクを考える４

熟成タイプのワインの熟成で、どの程度の酸素が必要になるのか
熟成タイプのワインの熟成で、スクリューキャップで何かデメリットはあるのか

この問題には様々な議論があります

というのも、液面とキャップの間の空間内の酸素およびワインに溶け込んでいる酸素のみで熟成が進むのか、

あるいは、やはり外から流入してくる「かもしれない微量な」酸素も必要なのか、です

実はスクリューキャップと天然コルク栓、合成コルク栓で同じワインの熟成を比べた複数の実験があります

結論としては、スクリューキャップはフレッシュさを維持していたが還元臭がした、というものでした

要するにスクリューキャップの場合、酸素不足のため還元状態に傾くわけですね

それでは熟成ワインにはやはりスクリューキャップが向かないかというと、工夫の方法もあります

例えばワインには酸化・劣化を防ぐためSO2が加えられていますが、この量を減らす、あるいは、

液面とキャップの間の空間を増やすなどすれば、還元的なニュアンスは減らせます

また、十分な熟成期間を置いてからボトリングするのも必要となるでしょう

また、最近はコルク栓の製造工程で特殊処理をすることにより、ブショネの確率を大幅に減らし、

なおかつ密閉性は従来のコルク栓と同等のものも造られてきています

今後は、そういった方向に進んでいくのではないでしょうか

※なお、今回の一連のブログは「ワインの科学」（河出書房新社）を参考にしました。

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