こんにちは
院長の櫻井です
以下の病歴の患者さまが初診されました↓さて診断は
「現病歴:70代男性。農作業に従事している。10年以上前から顔・首・手の痒み・紅斑が持続し、
複数の皮膚科を受診するが一進一退を繰り返す。
既往歴:3年前から高血圧に対してARB服用中。サプリメントの服用なし。
現症:顔面・頸部・手背・前腕部にびまん性に、皮野が顕著に肥厚した、強い掻痒を伴う苔癬化局面
がみられる。耳後部に病変なし。」
診断:chronic actinic dermatitis(CAD)
典型例でしたので診断は容易でした。
本日の段階では、他院で処方されているザイザル内服、アンテベート+ヒルドイドソフトを継続し、
服装は極力遮光に努め、SPF50・PA3+のサンスクリーンを2時間毎に塗り足すよう指導しました。
血液検査で、sIL2-R、赤血球・尿中ポルフィリン、ANA、SS-A、EBV抗体価などをスクリーニングで
オーダーしておきました。
問診上、キクの栽培歴もあるようなので、菊皮膚炎も精査しないといけないですね。
今後は、改善傾向がみられなければ、生検の上、シクロスポリンを開始する予定です。
CADは比較的珍しい疾患ですが、本症例は10年以上診断がなされていなかったのが不思議なほどの
まさに教科書的な典型例でした。
でも、こういう症例をしっかりサルベージし、治療していくのは、医者冥利につきますね