こんにちは晴れ

院長の櫻井ですニコニコ

今日は一般には馴染みの薄い感染症「Trichophyton tonsurans感染症」について。

これは、ここ10年くらいで皮膚科領域では急に有名になった疾患で、レスリング・柔道などの格闘技を

している人たちにみられる、Trichophyton tonsuransという白癬菌による感染症です。

この真菌は、感染力が強く、また、無症候性感染(キャリヤー)となることもあるので、格闘技競技者間で

一気に広がりやすい特徴があります。

また、他の白癬菌と異なり、頭部に高率に感染しやすいのも特徴的であり、一見すると、フケ症や

膿痂疹様に見えるため、誤診されステロイドや抗生剤を投与されている例をよく見かけます。

幸い、最近では格闘技関係者の間では「マット菌」として知られるようになってきており、病院を

受診する時点で、「マット菌ではないか?」とこちらに自己申告してもらえるケースが多く、

その場合の診断は、顕微鏡検査で容易にできます。逆に、自己申告がない場合は、結構手こずる

こともあります。

しかも頭部に感染しやすく、この場合は抗真菌剤の内服が必要となりますから、頭部にも感染

しているか否かが、外用薬だけでいいのか、内服薬が必要なのか治療の分かれ道となります。

明らかな頭部の症状(フケ症、かさぶたなど)があれば、そこからの顕微鏡検査で容易に診断

できるのですが、この真菌の嫌なところは、無症候性感染(感染しているけれども症状はない)

があるので、頭部の感染を見落とされやすい点です。

よって、この無症候性感染をいかにサルベージするかが皮膚科専門医としての注意点となります。

実はこれを見つけるのは簡単で、真菌培養を行えばいいんです↓

このような寒天培地を用いて、培養検査を行います。

松戸・鎌ケ谷はレスリングが盛んな土地柄のようで、ときどきこの感染症の方が受診されるので、

見落とさないように常に鑑別疾患として頭に入れておく必要があります。

※待ち時間情報最新版


待ち時間の比較的短い時間帯:火曜9:30-11:00、水曜午前、木曜9:30-11:00、祝祭日午後


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となっております。(※あくまで目安ですので、日によって異なる場合があります。)


特に院長1診の月曜午前・金曜午前・水曜以外の平日の18:00以降は非常に混み合います

ので、他の時間帯に来院可能な方は、そちらの受診をオススメいたします。