こんにちは雨

院長の櫻井ですニコニコ

本日は、左手背の日光角化症(表皮内有棘細胞癌)の切除+全層植皮術の経過です。

症例:83歳、女性

現症:左手背の、第1指と第2指の間のいわゆる水かきの部分に、1cm大の萎縮性紅斑局面があり、

中央部は角化して隆起し、いわゆる皮角となっている。生検(組織検査)にてBowenoid typeの

日光角化症と診断。

Bowenoid typeの日光角化症は、付属器に沿って腫瘍細胞が深くまで存在するので、

Bowen病に準じた治療が必要となります。

そのため辺縁から5mmのマージンを取り、切除しました。

このまま単純に縫縮してしまうと、回外動作ができなくなってしまいますので、

左上腕部より採皮して全層植皮を行いました。

タイオーバー直前の画像です。

この後、タイオーバー固定をし、シーネ固定+intrinsic minusの指位での固定を行いました。

手術よりも、むしろこちらの固定にかなり神経を使いました。

術後5日にタイオーバー除去、術後1週間目に採皮部の抜糸を行い、本日術後2週間目に

植皮部の抜糸を行いました。

手掌側の辺縁部の生着がいまいちですが、90%以上は生着していますね。

まずまずの経過だと思います。あとはもう1,2週間程度は潰瘍処置をして上皮化をはかります。