こんにちは晴れ

院長の櫻井ですニコニコ

本日、35歳の男性の方で、15年間、どこの病院でも正しい診断を受けていなかった方が当院を

初診されました。

初診時、頭皮・眉間・鼻翼~両頬・両耳孔部に、軽度の掻痒のある、鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑が

存在。これまで脂漏性皮膚炎と言われステロイドを処方されるもあまり改善はなかったとのことでした。

そこで、肘など他の部位に発疹がないかを尋ねたところ・・・

肘頭・下腿に同様の紅斑がわずかに存在し、1ヶ所の爪の変化も伴っていました。

乾癬と診断し、経過によってはシクロスポリン内服を検討することとしました。

いわゆる脂漏部位に乾癬が出現する場合、脂漏性乾癬という診断名をつけることがあります。

脂漏性皮膚炎か脂漏性乾癬かの鑑別点ですが、脂漏部位以外(肘・膝・爪などの乾癬の好発部位)

に皮疹があるか、紅斑がより境界明瞭であるか、落屑・鱗屑がより著明であるか、治療に対する

反応性、などで鑑別していきます。また、鱗屑をはがした時に小出血が見られる場合(Auspitz現象

陽性)も乾癬を示唆する重要な所見となります。

乾癬の場合は、外用療法のみでは難治のことも多く、光線療法や、チガソン・シクロスポリンなどの

特殊な薬剤の内服、生物学的製剤の点滴・注射などが必要となるケースもよくあります。

脂漏性皮膚炎がなかなかよくならない、という方は、脂漏性乾癬かもしれませんので、

お近くの皮膚科専門医をご受診くださいませ。