今日は、皮膚科専門医試験などに出てきそうな、教科書的典型例。
症例:20代、男性
現病歴:初診の1週間前にダイエット目的に数日間断食を実施。断食終了後に、炭水化物オフの
ダイエットを開始したところ、背部に痒みのある紅斑が多発してきたため、本日当院初診。
現症を写真に示す。
↑弱拡大
↑強拡大
念のための真菌顕微鏡検査は陰性。
さて診断は?
A. 色素性痒疹(Prurigo Pigmentosa)
急激なダイエット、体重減少、糖尿病など、ケトーシスを発症機序とする疾患です。(本症例でも
尿検査を実施しました。)本症例は、断食+炭水化物制限と、まさにケトーシスとなる食事制限
を実施していました。
治療にはミノサイクリン内服が著効します。この疾患を知らないと、皮疹のみからは
ミノサイクリンを処方するという発想には至らないでしょうから、正しい診断が絶対的に
必要な疾患ということになります。