こんにちは
院長の櫻井です
最近、イオウ・カンフルローションを見直し始めています。
その昔、ディフェリンがまだなかった時代のにきび治療といえば、
顔全体にイオウ・カンフルローション外用、赤ニキビにアクアチムクリーム外用、ミノマイシン内服
という単純な図式しかなく、これでダメなら、昔ではまだ目新しかったピーリングをするくらいしかない
という、我が国におけるにきび治療は非常に貧弱なものでした。
しかし時は流れ、現在では、ディフェリンもあるし、来月には過酸化ベンゾイルも保険で処方できる
ようになるし、保険外ですがアゼライン酸も使用できる、と、ようやく、世界標準のにきび治療が
できるようになってきました。
そのような中で、古典的なイオウ・カンフルローションの出番は激減したのも当然の流れなわけ
でした。
が、最近では酒さにおいて毛包虫が増悪因子となることがトピックスとなり、それにおいて
イオウ・カンフルローションが有効であること、また、個人的な使用経験においては、脂性肌の
にきびで、ディフェリン、過酸化ベンゾイル、アゼライン酸などを用いてもまだオイリーな肌質(表現が
難しいのですが・・・)において、イオウ・カンフルローションを使用すると、改善が見られることを
しばしば経験しますので、最近、イオウ・カンフルローションを、これは、と思う症例で積極的に
処方するようになりました。
同様に古い薬ですと、レセルピンが難治性の皮膚の痒みに著効することがあることを知り、
これは、と思うケースで使用しますが、非常によく効いてくれます。
温故知新、古い薬も使い方を工夫すると、ともすると新しい薬にはない素晴らしい効き目を
発揮してくれるものです。