今日は若手の先生向けに。
臨床能力を向上させるためには、経験こそが非常に有用ですし最も大切ですが、
その経験をものにするためには当然のことながらフィードバック、学習が
必要となります。そのためには座学を日頃から徹底しておかなければなりません。
当院に来られた先生方がよく驚くのが、私の蔵書の多さです。(医師控え室に
私の書庫があるので。)
経験には、正直なところ、運もあります。何年も医者をやっていても一生経験しない疾患も
ある一方で、別の医者はその疾患を短期間に複数件経験し学会発表することがある、
というのもざらです。
しかし、座学は違います。本人の心がけ次第で、いくらでも実践できます。
しかも、経験というものがともすると実を結ばないこともしばしばであるのに対し、
座学は裏切りません。増えた知識はそのまま実力に直結します。
本を読むのが退屈ですか?知識が増えることにわくわくしませんか?
まだ若手の頃は、知識も経験も少ない分、一冊の本を読むのに時間がかかるもの
です。しかし、知識量が増えていくに従い、加速度的に本を読むスピードは短縮していく
はずです。(逆に言えば、なかなか読むスピードが上がらない人は、努力が足りないか、
努力の方法が間違っているかです。)
特に若手の先生方は、病棟や当直で無為な時間が意外とあるはずですので、
そういった時にこそ、座学に励んでもらいたいと思います。