本日の手術症例より。

症例:15歳、男児

現病歴:以前より右上腕部に腫瘤があり、徐々に大きくなってきたため当院受診。

現症:右前腕外側に、直径2cm大でドーム状に隆起する腫瘤がある。腫瘤は透光性があり、

触るとぶよぶよしており、中には境界明瞭で皮表および下床との可動性良好な硬い腫瘤を触知する。

写真はボケボケで、術前写真撮影を担当した看護師をのちほどお説教しておきます。

さて、診断は?

A.水疱様外観を呈した石灰化上皮腫

石灰化上皮腫は小児に多い腫瘍で、腫瘍より上方の皮膚を圧排すると局所循環障害を

来たして浮腫状となり、いわゆる水疱様外観を呈することがあります。

手術においても、浮腫状の間質が目立ちますが、通常の石灰化上皮腫と何ら変わりなく

容易に摘出できます。