先日NHKで金属アレルギーと難治性皮膚疾患の関連についての放送があったため、

金属アレルギー検査希望の方が受診されるケースが増えています。

確かに、扁平苔癬、掌蹠膿疱症、汗疱、多形慢性痒疹、アトピー性皮膚炎など、

金属アレルギーが関与し得る疾患は多々ありますが、そういった疾患においても、

頻度的には金属アレルギーが関与しないケースの方が圧倒的多数です。(例えば、

掌蹠膿疱症において歯科金属が関与することがあるのも有名ですが、しかし、実はそれは

稀で、病巣感染の方が圧倒的に多い。)

先日も、数ヶ月来の多発する貨幣状湿疹に対して、他院で金属アレルギー検査を

予定されていた方が受診されました。適切な外用療法を実施したところ1週間で軽快しました。

つまり、この方にとっては金属アレルギー検査は不要であったわけです。

とはいえ、ならば、目の前にいる患者さんの疾患に対して金属アレルギーの関与を100%否定できる

かというとそこは難しく、やはり、適切な治療を行った上でも難治なケースに関しては、金属アレルギー

の精査を検討した方がいいでしょう。

それでは金属アレルギーの検査はどう行うのでしょうか?

金属アレルギー検査はパッチテストで行うんです。

※パッチテストとは?

パッチテストとは、かぶれ(接触皮膚炎)の原因を探すために、原因と考えられるもの(化粧品・毛染め・

日用品・薬など)を専用のテープに塗って2日間背中や二の腕の内側に貼って、かぶれの原因を

つきとめる検査です。

貼る日、2日目、3日目、調べるものによっては1週間目、と病院に通わなければならないのと、

2日間はテープを貼った場所をぬらしてはいけないのが少し手間ですが、原因がクリアにわかるので

非常に有用な検査方法です。

金属の場合は1週間目の経過観察も必要(ゴールドやプラチナなどは遅れて反応が出てくることも

多いため。)なので、例えば、月曜日にパッチテストを貼った場合、水曜日・木曜日・次の月曜日、と

受診しないといけませんから、ある程度しっかりしたプランを立てて行うことになります。

ですから、金属アレルギーを調べたい方は、前もって予定を立てていただいておくのがオススメです。

当院においては、28種類の金属アレルギー検査を行っております。(鳥居薬品提供の一般的な

金属シリーズだけではなく、チタンやモリブデンなど海外からの試薬も導入しております。)

パッチテストは汗を多くかく夏にはできない(貼ったテープがはがれてしまうため)ので、そろそろ

季節的にはタイムリミットが近づいています。

金属アレルギーの検査をご希望の方はお早めの受診をオススメいたします。