これはちょっと難しい問題。
症例:6歳、男児
現病歴:ふだんから皮膚のトラブルは特になかった。初診の2日前から急に体がザラザラしてきて
痒がりだしたので、当院初診。全身状態は良好であり、元気。
現症:体幹部に毛孔一致性の常色~紅色の丘疹が多発し、掻痒を伴う。また、腋窩・鼠径・肘窩・
膝窩に一致して紅斑が存在し掻痒を伴う。
さて診断は?
A.溶連菌感染症
体幹部の皮疹を見ただけでは乾燥性湿疹でもいいかとも一瞬考えましたが、
・acuteな発症の毛孔一致性の丘疹
・間擦部に優位な紅斑
の2点から、溶連菌感染症をまずは考えました。
体温を測ると、平熱でしたが、実は若干喉の痛みがあるとのこと。
喉を見てみると少し発赤がありました。
そして、溶連菌かもしれないので検査しましょう、と保護者の方に説明したところ、実は1週間前に
溶連菌に感染した友達がいたとのことでした。
咽頭粘液からの溶連菌検査にて、
写真のように陽性反応が検出できました。
「先生、すご~い!この皮膚が溶連菌なんて思いませんでした。」と保護者の方には
目を見開いてびっくりされました。
少ない手がかりから問診を引き出し、適切な検査をして診断にたどり着きました
してやったり、というところです