先日の症例より。
症例:60代、女性
現病歴:以前より強い肩こり・頚部痛があり、整形外科で頚椎症と言われ手術をしたが症状は改善
しなかった。また、めまい・耳鳴り・強い頭痛もあり、耳鼻科・脳神経外科を受診したが問題ないと
言われ、血流改善薬を処方されるも改善せず。耳鳴りは蝉の鳴くような音で、午後の方が強い。
プラセンタ注射が効果があるかもしれないとネットで調べ、当院初診。
初診時問診にて得た情報を列挙する。
ストレスの強い生活、手足が昔から冷える、冷たいものは好まない、冷たいものを摂取すると下痢する、
胃腸は弱い、腰痛・膝の痛み有り、下肢にむくみ、夜間に尿で起きる、高血圧にて治療中、ドライアイ、
目のかすみ
舌苔黄薄、舌尖紅
プラセンタもいいかもしれませんが漢方薬が有効かもしれないので飲んでみませんか、と患者さんに
説明し、処方しました。
さてその処方は?
A.釣藤散合附子理中湯合牛車腎気丸
脾腎陽虚、肝腎不交・肝欝結瘀→肝陽上亢と考え処方しました。
1週間後の再診時、最初は動かせないほど強かった頸部の痛みは半減して動かせるようになり、
夜間の覚醒はなくなり、腰・膝の痛み、むくみも改善、頭痛も気にならないほどまでに軽減していました。
現段階ではめまい・耳鳴りは残存、冷えも以前よりはいいがまだ残る、というところです。
まず附子を1g追加としました。今後は、平肝瘜風の天麻も加えたいところです。