今日は難しめの出題。
症例:50代、男性
現病歴:数週間前より、自覚症状を伴わない、右頬から鼻背にかけて100円玉大の浮腫性紅斑、
および、両耳垂に角化した紅褐色局面が出現し当院受診。
既往歴:以前より顔面の脂漏性皮膚炎(鼻翼・眉間)を繰り返し、当院でロコイドCrを処方し改善。
現症:耳の写真を示す。(頬は個人が特定できてしまうため掲載できません。)
治療経過:脂漏性皮膚炎の既往があることから、今回も同様に考え、ステロイド外用を処方するも
改善せず、1週間のみデルモベート軟膏を外用してみたがやはり変化はなかった。その時点で、
よもや、と、ある病気を疑い、生検(頬と耳の2ヶ所)を実施し確定診断に至った。
さて診断は?
A.DLE(discoid lupus erythematosus)
病理組織は典型でした。その後、血液検査では抗核抗体80倍、抗ds-DNA抗体・抗Sm抗体・
抗RNP抗体・抗SS-A抗体は陰性、血算・一般生化・補体価は正常範囲内でした。
さしあたってプロトピック軟膏外用を開始としました。
レクチゾール、プラケニル内服も今後の症状の変化によっては要検討です。