今日は教科書的出題。

症例:50代、男性

現病歴:10年以上前に尋常性乾癬と診断され、ステロイド外用剤やビタミンD3外用剤を

処方されるも一進一退であり、なかなか改善しないため当院初診。

現症:略全身に500円玉大までの境界明瞭な落屑性紅斑が多発。爪にpitting+。

最近、手のこわばり感が出てきたというが、まだ変形はない。

さて、ここで打つべき治療法は?

A.リウマトレックス内服

まず、乾癬において必ず問診しなければならないこととして、関節症状の有無があります。

(特に爪病変がある場合はなおさら。)この患者さんは、「関節の痛みなどありますか?」と

問診したところ、「初めて関節のことを聞かれました。乾癬と関係あるんですか?」とびっくり

されていました。

関節症性乾癬は決してまれではなく、関節症状は進行性のため、早期から治療を施し、

変形が残らないようにしなければなりません。まだ症状は軽度でしたので、費用対効果を

説明の上、バイオ導入ではなく、まずはリウマトレックス内服で開始することとしました。

(もちろん血算・一般生化学・感染症・尿などのスクリーニング検査は必須。あわせて

抗CCP抗体も測定しておきます。)

なお、関節症性乾癬におけるリウマトレックス処方については公知申請中です。