こんにちは
院長の櫻井です
今日は、他院美容皮膚科(皮膚科専門医)で肝斑と言われ、フォトフェイシャルを当てて、
かえって黒くなった、と言って受診された方がいらっしゃいました。
診察してみると、明らかに肝斑があり、そこに、炎症後色素沈着様の黒色斑が多発・散在
していました。
ここで疑問点が2つ。
・なんで肝斑とわかってるのにフォトを当てちゃったかな?
・肝斑に効果があると考えて当てたのか?
ということです。
肝斑は、その本態は、何らかの刺激(物理的刺激や紫外線など)によるメラノサイトの
メラニン産生能の亢進ですから、美白剤内服や外用、導入治療がファーストチョイスであり、
メラノサイトを過剰刺激ないしは死滅させる恐れのある、レーザー治療やフォトフェイシャルは
原則禁忌と考えられます。(フォトは短波長の部分にフィルターをかけてマイルドに当てる、
ということもありますが、それも大丈夫かどうかは確率論の問題です。)
肝斑の治療は、医者も患者も焦りは禁物だと私は考えており、患者さんには、慢性疾患として
とらえるように、コントロールするのが治療である、と説明しています。明らかに博打の治療は
するべきではありません。
でも最近、皮膚科や形成外科の医学誌でも、以前ほどではなくなりましたが、レーザー
トーニングが治療の選択肢として取り上げられているのを見ると、それを読んで大丈夫と
思ってやっちゃう医者もいるんだろうなあ、よくないよなあ、などと思ったりしてます。