こんにちは
院長の櫻井です
乾癬の新薬「マーデュオックス軟膏」が処方できるようになりました。
マーデュオックス軟膏は、アンテベート軟膏とオキサロール軟膏の合剤で、
基本的にはドボベット軟膏(=リンデロンDP軟膏とドボネックス軟膏の合剤)と
同じentityに属します。つまりステロイド外用剤と活性型VitD3外用剤の合剤
です。
合剤のメリットは、
・1日1回外用でよいためコンプライアンスが高くなる。
・ステロイドによりVitD3の欠点である刺激感をマスクでき、また治療効果の
立ち上がりが早い。
・従来は調剤時に混合剤を作成していたが、これによりVitD3の液滴分散構造が
破壊され、またpHの問題で薬剤の化学変化・濃度の低下を起こし効果が落ちていたが、
合剤作成時の特殊製法により、その点が克服された。
という点にあります。
問題は、ドボベットとマーデュオックスの使い分けです。
マーデュオックスの売りとしては、本邦で乾癬に対して最も処方量が多いステロイド
外用剤であるアンテベートと、本邦で乾癬に対して最も処方量が多いVitD3外用剤
であるオキサロールの合剤である点です。
一方、ドボベットは海外での使用経験が長く、本邦でも1年以上の販売実績があり、
データが多い点が強みです。
臨床をやっていますと、同じような薬AとBとで、患者さんによってA>B、A=B、A<Bと
それぞれであることはよく経験しますから、実際にはそのように使い分けていくことと
なると思います。何せ、選択肢が増えることは喜ばしいことです。