本日の症例より。

症例:70代、男性

現病歴:最近、急に顔に痒みが出現し、紅斑および水疱・膿疱が多発してきたため本日受診。

確かに、顔面には広範囲に紅斑があり、そこに米粒大までの小水疱・一部膿疱が散在して

おり、水疱がつぶれたあとの痂皮も固着していました。水疱の分布は神経支配領域とは

無関係でランダムでした。

接触皮膚炎?Kaposi水痘様発疹症?などと考え、ルーティン検査で真菌顕微鏡検査と

Giemsa染色をしてみたところ・・・

ゲゲッ!毛包虫だらけ!!20匹はいます・・・

いわゆる毛包虫性ざ瘡でした。

振り返って考えると鑑別に入れておくべきでしたが、水疱という皮疹からは思い至り

ませんでした・・・

しかしここで救われたのは、手間を問わずにルーティン検査をしていたからです。

外来が忙しくなってくると、ともすると、検査を怠りがちになりやすいですが、診療スタイル

のルーティンを保つことが、正しい診断を出すための近道であるとしみじみ思いました。