今日は簡単な問題ですが、少しひねってみます。
症例:70代、男性
既往歴:糖尿病
現病歴:数ヶ月前より全身の痒み・紅斑に対して、総合病院皮膚科にてstrongest classの
ステロイド外用を行うも改善なく、悪化して隆起してきた部位には液体窒素療法を併用
していた。最近になりさらに増悪し膿疱も出現してきたため、本日当院初診。
現症:下肢の写真を示す。このような症状が略全身に広がる。
隆起部位及び膿疱内容から真菌顕微鏡検査陽性でしたので、外用薬を中止しテルビナフィン
服用を開始しました。
と、これだけでは芸がないので、さて問題です。
この症状について、とある疾患の併発を念の為に頭の片隅に入れておく必要があるのです
が、それは何でしょうか?
A.汎発型環状肉芽腫(generalized granuloma annulare)
糖尿病のデルマドロームです。テルビナフィン内服しても環状の隆起部位が残存するならば
生検が必要です。(まあ、おそらくはテルビナフィンのみで完治するとは思いますが、そう
ならなかった時のことを想定しておくのが専門医というものです。)