今日はマニアックな出題。
症例:20代、女性
現病歴:掌蹠膿疱症にてステロイド外用剤、ビタミンD3外用剤、ルリッド内服
にて当院にて治療中。関節症状なし。病巣感染検索として歯科・耳鼻科受診
したが特記すべき所見なし。最近になり右1指のみの爪甲が変形してきたため、
何かいい治療はないか相談された。
臨床症状は掌蹠膿疱症の爪甲変形と考えた。(真菌顕微鏡検査は陰性。)
さて、第1選択となる治療は?(これは簡単な問題)
A.シクロスポリン内服
しかし低用量シクロスポリンを内服したところ、動悸が出現し内服継続不可能
となった。(外用治療はステロイドテープ剤貼付を継続。)そのため、次の手と
してエキシマライト照射を提案したが頻回の通院は不可能とのことであった。
さて、ここで私が選択した治療は?(これが本題)
A.ケナコルト局注(爪母および爪床)
罹患指が1指のみでしたので、この方法を選択しました。月1の注射を開始し、
本日3ヶ月目でしたが、下からきれいな爪が生えてきていました。
多数指の爪甲変形が存在する場合には行い難い方法ですが、本症例に関して
はこの治療が効果的でした。
あとは今後罹患指が増えてきてしまった場合にQOLとの兼ね合いでバイオまで
踏み込むのかが考えどころです。