本日の手術より。

 

症例:80代、女性

 

現病歴:4年前より左頬の紅斑に対して他院皮膚科にてステロイド外用するも改善

 

せず徐々に拡大してきた。最近になって痂皮形成を伴ってきたため1か月前に当院

 

初診した。

 

現症:写真に示すように左頬下部に3cmX2cm大の角化性紅斑局面が存在し、

 

ダーモスコピーではstrawberry pattern。

 

 

 

典型的な日光角化症(上皮内有棘細胞癌)と考え生検したところ、やはり病理

 

組織学的に日光角化症と確定診断に至りました。病理組織ではいわゆる

 

Bowenoid typeであり、附属器上皮内にも腫瘍細胞が進展していました。

 

Bowenoid typeですので、CO2レーザーや液体窒素療法では附属器上皮内の

 

腫瘍細胞に効果がありませんから、治療は手術かベセルナクリーム外用か、

 

というところです。本症例については、数年来の経過で徐々に増大傾向にある

 

こと、腫瘍サイズがかなり大きいことから、手術を選択しました。

 

術前のデザイン↓

 

 

5mmマージンで作図すると長径4cmの欠損が生じます。そこで、

 

cervicofacial rotation flapにて被覆することとしました。

 

SMAS直上で剥離↓

 

 

縫合↓

 

 

大きなテンションもかかることなくflapは移動・縫合できました。