今日は初心者向け。
症例:40代、男性
現病歴:2日前にアジを食べた2時間後から蕁麻疹が出現した。
内科でセレスタミンを処方されたが改善せず当院初診。これまでも
何度か魚を食べて蕁麻疹が出現したことがあるが、普段は普通に食べて
いても問題はない。
現症:診察時に躯幹・四肢に膨疹が点在する。個疹は数時間で消退するが
新生もする。呼吸器症状なし。腹部症状なし。
さて、ここですべき検査は?
A.アニサキスRAST測定
鑑別診断としては、
アジアレルギー
アニサキスアレルギー
仮性アレルゲン
食物とは無関係の蕁麻疹
を挙げることができます。
本症例では、アジRAST0、アニサキスRAST3でしたので、これまでの既往
も含めて考え、アニサキスアレルギーと診断しました。(細かいこと言えば
アジのprick-to-prick testもすべきですが、普段はアジを食べれているので
いいでしょう・・・)
アニサキスアレルギーは、アニサキス抗原に対するアレルギー反応であり、
アニサキスが加熱・冷凍・加工により死滅していても発症します。
これまでの経験上、結構重症例が多い印象です。
今後は魚介類は、アニサキスが含有されない魚介類(川魚・大型魚類など)
以外は極力食べないように注意するしかありません。