今日も初心者向け。

 

症例:50代、女性

 

現病歴:初診日当日の朝から急に四肢に強い痒みのある紅斑が出現してきたため

 

当院初診。初診時には、四肢に手掌大までで強い掻痒のある境界明瞭な浮腫性紅斑

 

が多発し、一部は環状紅斑様であった。蕁麻疹?多形紅斑型中毒疹?と考え、

 

PSL30mg(0.5mg/kg)および抗ヒスタミン薬内服開始するとともに採血実施。

 

(WBC5800,Neut68.7%,Eos3.4%,CRP0.08,ANA・抗SS-A抗体陰性、ASO,ASK、

 

マイコプラズマPA正常範囲、IgE231)

 

3日後の再診時に、痒みは未だ強く、皮疹は写真に示すように変化していた。

 

現症:四肢の主に両下肢に写真に示すような境界明瞭な浮腫性紅斑が散在し、

 

紅斑内に多数の点状紫斑を伴う。

 

 

 

 

 

 

さて診断は?

 

 

 

 

 

 

 

A.蕁麻疹様血管炎(urticarial vasculitis)

 

 

 

 

 

 

皮膚生検を実施し、病理組織学的に血管炎を確認できました。追加の血液検査

 

にて、血清補体価・C1q・P-ANCA・C-ANCA・クリオグロブリン・抗カルジオリピン

 

β2・GPI複合体抗体・LA等全て異常所見はありませんでした。

 

生検と同時にDDS併用開始し、現在PSL20mg+DDS50mgにて皮疹は完全に

 

消退しています。

 

私の今までの経験では、本疾患にはDDSがよく効く印象です。