今日はまあまあ珍しめの疾患から。
症例:70代、女性
現病歴:10年以上前から体幹部・四肢に時々痒みのある皮疹が出現し、
他院受診したところ乾癬と診断された。外用薬を処方されるも改善しないため
ここ最近は無治療であった。家族が皮疹に気づき、5/8当院受診となった。
現症:体幹部・四肢の広範囲に、不整形で、落屑を伴う、強い浸潤のある
紅斑・褐色斑が多発する。
さて診断は?
A.菌状息肉症(mycosis fungoides)
上記疾患と考え即生検実施し、病理組織学的に確定診断に至りました。
あわせて行った血液検査では、
WBC 7700(分画に異常なし)、LDH 208、抗HTLV-1抗体陰性、sIL2-R 667↑、
TARC 1427↑
でした。
本疾患は皮膚T細胞リンパ腫ですが、緩徐な進行をとるため、必ずしも
生命予後が悪いわけではありませんが、長期的かつ重点的に経過観察
も必要となります。
今後は病診連携しながら当院でステロイド外用+光線療法による治療を行う
予定です。