今日は教科書的症例から。
症例:60代、女性
既往歴:ドライアイがありOTC点眼中
現病歴:2,3か月前から右頬に紅斑が出現。他院で外用薬(詳細不明)
を処方されるも改善なく当院初診。
現症:右頬に、500円玉大で自覚症状を伴わない、強い浸潤を触知
する浮腫性の環状紅斑が存在。真菌顕微鏡検査陰性。
さて診断は?
A.SCLE(亜急性皮膚エリテマトーデス)
SCLE、Sjogren症候群、サルコイドーシス、EPFなどを鑑別に
生検を実施し病理組織学的にSCLEと確定診断に至りました。
(SjSとは基底層の液状変性から鑑別。)
血液検査上、抗核抗体陰性、抗SS-A抗体陽性でした。
なお、SjSを疑いたくなる既往歴のドライアイですが、眼科を
紹介受診したところ、睫毛内反症による角膜上皮炎であり、
Schirmer testは異常所見なく、ドライアイは存在しない、と結論
づけられました。
strong classのステロイド外用剤にてかなり改善してきており、現在、
タクロリムス軟膏に切り替えたところです。