毎月、月初はレセプトチェックに追われます。

保険医療機関は、診療報酬請求をするにあたりレセプトを

送信するのですが、それに不備があると、返戻(差し戻し)

あるいは査定(カット)されます。

具体的には、

・手術、検査、投薬に対する病名が正しくつけられているか

・処方日数制限や投与量制限のある薬剤のチェック

などなど。

特にこの「病名」が、非常に問題でありまして、例えば、

「アクアチムクリーム」は、皮膚感染症一般に対して処方

できるが、「アクアチムローション」は「ざ瘡」しか適応病名

がないため、「頭部伝染性膿痂疹」の病名に対して

「アクアチムクリーム」の処方はもちろん何も言われませんが

「アクアチムローション」を処方すると、査定となり、

この薬剤の料金および調剤料が、クリニックの診療報酬

から削られる(院外処方であっても)という杓子定規の極地

のようなシステムとなっています。

そのため、処方した薬剤が理不尽な査定にあわないようにする

ために病名チェックは非常に重要です。

また、薬剤の処方量も重要であり、患者さんはよく、「多めに

ください」などと言いますが、例えば、ヒルドイドの処方量に

関してはローカルルール(これも地域によって変わってくるのが

大問題。)により年齢ごとに処方上限量が決まっており、これを

超えて投与した場合も、超えた分の薬剤料および調剤料が

クリニックの診療報酬から削られることになります。ヒルドイド

に限らず、年齢や病名から類推される常識的な処方量を超えた

場合に関してももちろん査定の対象となります。

そのため、「多めにください」と言われても安易に応じることが

できないわけです。

明らかな医学的な誤りに対しては査定は致し方ないとは考えます

が、こんな間違い探しのような非生産的なことは、いい加減

やめてほしい(せめていきなり査定ではなく返戻からにする

べきでは?)と日々感じています。