今日は日光蕁麻疹の症例。
症例:30代男性
現病歴:以前より日光にあたるとその部位に紅斑が出現し、長い時間あたると
痒みも伴ってくる。紅斑は、日光にあたらなくなると数十分で消失する。
近医で抗ヒスタミン薬を処方されるも改善しないため当院初診。
初診時に右前腕のみシャツをまくりあげて日に当ててきた状態で来院(右手に
手袋をして手背は遮光)し、確かに、右前腕の日に当てた部位のみ境界明瞭に
紅斑を認めた。
診断は日光蕁麻疹で間違いないでしょう。
他の光線過敏症を除外する目的で行った血液検査・尿検査でも、
抗核抗体陰性・抗SS-A抗体陰性・血中プロトポルフィリン陰性・
尿中ウロポルフィリン陰性・EBV既感染パターン
でした。
そして、誘発検査を実施すると、
UVA 4Jで誘発されました。
(ちなみに別症例で可視光線で誘発された写真↓
)
ということで、作用波長がUVAであることが明らかになりました。
UVAや可視光線はガラスを通過するため、屋内においても注意が必要
であるということになります。
さしあたって、遮光・PA ++++のサンスクリーンの十分量塗布・
抗ヒスタミン薬内服としました。
文献的にはシクロスポリン内服やゾレア皮下注が効果的な場合もある
ようです。