最近は手術や美容の内容が多かったのですが、今日は、久しぶりの

このシリーズ。

教科書的典型例から。

症例:50代、女性

既往歴:特記すべきことなし

現病歴:約1か月前に右足背・左1趾に痛痒さ・軽度腫脹を伴う紅斑が

出現したため他院皮膚科を受診し、「炎症」と言われゲンタシン

軟膏を処方された。その後症状は治まってきたが、2日前に同様の

症状が再燃したため、総合病院整形外科を受診し、血液検査で

CRP 0.11と炎症反応はほぼ陰性、皮疹から乾癬を疑われ、当院紹介

受診となった。

現症:写真に示す。

 

 

 

さて診断は?

 

 

 

A.固定薬疹

 

 

臨床像および同部位に再燃していることから固定薬疹をまず考え、

解熱鎮痛剤や抗生剤の服用歴を問診したところ、2回とも症状出現

直前に頭痛に対してロキソニンを服用していたことが判明しました。

固定薬疹は、知っていればすぐ診断できますが、おそらく、皮膚科

以外の医師には認知されていない可能性の高い薬疹です。一般的には

頓服薬や食事などが原因となりますが、常用薬で不定期に固定薬疹

を繰り返した臨床報告もあります。