ひさびさにこのシリーズ。

今日は典型例から。

症例:50代、女性

既往歴:特記すべきことなし

現病歴:約1週間前より右下眼瞼に浮腫性紅斑が出現し、眼科で

ガチフロ点眼、ネオメドロールEE軟膏を処方されたが改善しな

かった。2日前から両1指および右2指背にも紫斑を混じる浮腫性

紅斑が出現した。当初は痒みを伴い虫刺されを疑ったが、徐々に

疼痛が出現し夜も眠れないほどになったため当院受診。体温36.2℃。

現症:写真に示すように、疼痛を伴う境界明瞭で紫斑を混じる浮腫性

紅斑を、右下眼瞼・両1指、右2指背に認める。

 

 

 

さて診断は?

 

 

A.Sweet病

 

まずSweet病を考え右1指から生検を実施しました。病理組織は

neutrophilic dermatosis(好中球性皮膚症)でした。

血液検査では、

WBC 9500↑(Neutro 68.5%,Eos 1.8%)、肝腎機能異常所見なし、

Cu 135、CRP  1.15↑、抗核抗体・抗SS-A抗体陰性、IgG/A/M正常範囲内

でした。

臨床像と病理組織からSweet病と診断しました。

生検時にSweet病を強く疑っていたことからビブラマイシン、ヨウ化

カリウムの内服も開始し、抜糸時には皮疹は著明に改善していました。

本疾患は、MDSやIBD等の基礎疾患を背景とすることもあるため、

内服は継続とし、総合病院内科に全身精査を依頼しました。