当院では中等症以上・難治性のアトピー性皮膚炎の治療として、

・finger tip unit(FTU)による外用指導の強化

・光線療法

・シクロスポリン内服

・デュピクセント注射

を行っておりますが、ここ最近、新たな内服薬(JAK阻害薬)

さらに選択肢に加わりました。現在アトピー性皮膚炎に対して

3種類のJAK阻害薬が投与できますが、デュピクセントよりも

効果があるものも出てきています。

内服薬の長所としては、注射よりも簡便であること、短期間投与

も選択肢であること(デュピクセントは中止により二次無効が

生じる可能性があるため長期投与が前提)、かゆみに対する効果

が非常に速いこと、12歳から投与可能であること(デュピクセント

は15歳以上)、が挙げられます。

一方でこれらの内服薬は、デュピクセントよりもさらに費用が

高い点、定期的な採血・胸部レントゲンを必要とする点が短所

となります。(なおレントゲンは他院呼吸器内科に依頼となります。)

そのため、

・デュピクセント治療中で、もう少し効果がほしい方や、顔面の

紅斑が遷延する方

・光線療法やシクロスポリン内服で効果不十分で、注射に抵抗

がある方

・とりあえず大切なイベント(受験、結婚式等)の前に症状を

改善して乗り切りたい方(短期投与)

・かゆみで夜眠れない、仕事に支障がある、などQOLの低下が

あり、すぐにでもかゆみをとりたい方

・12歳以上14歳以下の小児で従来の治療で難治の方

は、いい適応となると考えます。

JAK阻害薬治療をご希望の方は、平日午前に受診ください。(血液

検査の項目で、検査会社が平日午前のみ対応のものがあるため。)