こんにちは晴れ

院長の櫻井ですニコニコ

今日は84歳男性のBowen病の手術を行いました。

左下腿伸側のちょうど脛骨のあたりに7mm大の黒褐色調の角化性局面があり、先日の生検(組織検査)

にてBowen病と診断し、本日5mmの辺縁をとって切除し、ドレーン留置の上、縫縮しました。

皮膚割線的には横切開の場所ですが、直径17mmの欠損は横切開では寄らないと判断し、また、部位的に

血流が悪いこと、外来手術であることから、皮弁・植皮とはせずに、縦切開でアプローチしました。

Bowen病は表皮内有棘細胞癌(squamous cell carcinoma in situ)で、基底膜を破って浸潤すると、

Bowen癌(有棘細胞癌)となり、転移の可能性が生じます。

日光角化症と違ってBowen病は毛包などの付属器上皮にも進展しているため、表皮内に限局するものの、

腫瘍細胞の深度は深いため、皮下脂肪組織を含めて全切除しなければなりません。(実際には日光角化症

も以前のブログに書いたように類Bowen型が多いので、切除が望ましい。)

境界が明瞭な場合は辺縁はもっと少なくてもいいとはいわれてはいますが、5mmとることが一般的です。

Bowen病の時点で切除してしまえば転移はありませんので、早期発見・早期治療が大切です。

この患者さまは、皮膚癌がないか見てほしい、とのことで来院され、耳に日光角化症、左下腿にBowen病

を発見しました。来月、耳の日光角化症も切除を予定しています。

高齢の方の場合、長年の紫外線のダメージの蓄積により皮膚癌が多発することもあります。

皮膚癌がご心配な方はシャルムクリニックにご相談くださいね音譜