こんにちは
院長の櫻井です
今日は「パッチテスト」です
パッチテストとは、かぶれの原因を検索するための方法で、原因である可能性のある物を
2日間、腕や背中に絆創膏で貼付して、かぶれてこないか調べる検査です。
やることは至極単純で、判定も簡単で、非常に原始的な検査です。
しかし、
・手間がかかる(何種類もやる場合は準備にそれなりに時間がかかる)
・それなのに診療報酬点数は非常に安い
という理由で、皮膚科専門医であっても敬遠しているケースが多々あると聞きます。
が、私は、このパッチテスト、積極的に実施しています。
というのも、特に女性で多いのですが、顔のかゆみ・赤みで、特に診断名も告げられずに
漫然とステロイド外用剤が延々と処方されているケース、さらにそれにより酒さ様皮膚炎まで
併発しているケース、というのをよく見かけますが、こういうケースでは大抵、化粧品などの
かぶれがそもそもの原因なんですね。
普段から使っているものがアレルゲンとなっている場合、使い続けている限りはいつまでたっても
治らないのは当然であり、治すには原因を断つ、つまり原因となるものを発見することこそが、
根治に至る唯一の方法なんです。その検査方法がパッチテストであるわけです。
もちろん顔のかゆみ・赤みは、かぶれ以外でも、例えば、花粉症皮膚炎、酒さ、脂漏性皮膚炎
などなど鑑別すべき疾患は多々ありますが、そこは、臨床症状・経過・血液検査・パッチテストの結果
などを総合的に勘案して診断するわけです。
すなわち、先日の真菌顕微鏡検査と同様に、パッチテスト自体は何の難しさもない検査であるが、
その検査を選択するか否かが、臨床能力、ということになるんですね。
私は外来がどんなに忙しくても、必要があると判断した場合には、この検査の意義・必要性を
患者さまに説明して、積極的に検査を実施しています。