こんにちは
院長の櫻井です
カネボウのロドデノール含有化粧品使用後に生じた脱色素斑(いわゆる白抜け)が問題となっております。
症例によっては汎発型尋常性白斑との鑑別が困難であることも報告されております。
実は、当院で、以前より顔・首の尋常性白斑の診断でエキシマライト治療を行っていた女性患者さま2名
が、この化粧品を使っていたことが判明しました。
顔と首に限局した白斑の症例というのは特段珍しくなく、当院では他にも10名以上の方が治療中ですが、
当該化粧品を使用していたケースと、未使用のケースとでは、前者の方が顔の白斑面積が広範囲である
という特徴はありますが、それ以外に臨床的な差異はありません。
この2名の患者さまについても一般的な白斑に対する治療(エキシマライト治療+ビタミンD3軟膏外用)
にて改善してきております。
興味深いのが、そのうちの1名の患者さまは、顔はほとんど正常部分が残っていず、そのため、
中途半端に色素が再生してしまうとかえってブチ状となって美しくないため、あえて紫外線治療をせず、
頸部のみ紫外線治療をしていたのですが、頸部のみ色素は著明に再生してきており、顔の色素再生
が見られていない点です。
カネボウの発表によると、当該化粧品の使用を中止しただけでも色素再生がみられる症例もある一方で、
色素再生が見られない症例もあり、この患者さまについては、当該化粧品の中止のみでは色素再生は
見られず、紫外線治療によって、初めて色素再生が見られた、と解釈できます。
すなわち、化粧品を中止しても色素再生が見られないケースに関しては、一般的な尋常性白斑に対する
治療が有効である可能性があると思われます。