こんにちは晴れ

院長の櫻井ですニコニコ

皮膚科医なら誰しもがそのキャリアにおいて一度は誤診して痛い目にあう病気といえば、

疥癬ですメモ

しかし私が研修医の時代と違って、今は疥癬の診断がはるかに容易にできるいい時代に

なりましたクラッカー

昔は疥癬を疑ったら、全身から10ヶ所以上も皮膚を採取して顕微鏡検査を行ったものでした

が、それでもなかなか検査に引っかからないことも多いものでした。結果、診断が遅れて、

周囲に疥癬を蔓延させてしまうということもありましたあせる

いまは、ダーモスコピー(拡大鏡)を用いることによって、どこに疥癬虫がいるか簡単に

わかるようになりましたので、顕微鏡検査をしなくても診断できる(とはいえ、実際には

ダーモスコピーで「当たり」の場所から顕微鏡検査をしていますが。)ようになりました。

しかし、疥癬を疑わなければ、皮疹をダーモスコピーで見ようとは思わないわけであり、

しかも、疥癬はそうそう多くはない疾患ですから、

疥癬を疑った際に疥癬と確定診断するのは容易になったが、疥癬を疑っていなければ


疥癬の診断にたどり着くのは今もって困難である

といえるでしょう。

すなわち、たえず疥癬の可能性を念頭に置いて診察にあたる、ということが、疥癬を誤診しない

ための最良の方策と言えます。

今日も、他の病院で乾燥による湿疹といわれてステロイド外用剤を処方されたが改善せず、

ステロイド外用剤の種類を変更したがやはり改善しなかった、という寝たきりの方が

受診されました。

この時点で、疥癬は真っ先に鑑別診断にあがってきます。

しかし、通常は疥癬の70%にみられる手の病変はありませんでした。

そこで肘を見ると、ありました、疥癬トンネルが。ダーモスコピーで拡大してみると、疥癬虫も

しっかり確認でき、顕微鏡検査でも虫体を確認できました。

今回は、ステロイドで改善しない、という情報があり、しかも寝たきりである、ということ

から、疥癬を十分疑うことが可能であったわけですが、そうそう典型例ばかりではないのが、

疥癬の難しいところです。

やはり、常に疥癬を鑑別診断に含めておく、というのが一番の安全策だと改めて実感しました。

※シャルムクリニックは、1/8(水)より、水曜日の診療も開始いたしましたクラッカー

水曜日は保険診療のみの診療となりますので、自由診療ご希望の方は、それ以外の曜日の

ご受診をお願いいたします。(自由診療の、2回目以降の点滴、および、薬の処方のみの方は

受付可能です。)