こんにちは晴れ

院長の櫻井ですニコニコ

今日は教訓的な症例の提示。

症例は50代女性。1年前より顔の赤み・痒みが出現し、総合病院皮膚科にて抗ヒスタミン剤内服

およびプロトピック外用にて加療されるも改善せず、当院初診。初診時、顔面にpathyに浸潤を

触れる紅斑が散在し、両上眼瞼にはびまん性の紅斑があり、強い掻痒を伴っていました。

NFB・爪囲紅斑およびGottron徴候は陰性。ダーモスコピーでは毛細血管拡張は目立たず。

以上より、まずは接触皮膚炎を考え、化粧品類等およびジャパニーズスタンダードアレルゲン

(以下JPS)によるパッチテストを実施したところ、持参のシャンプーおよびJPSのKathon CGにて陽性。

実はシャンプー、リンス、石鹸などはパッチテストにおいて界面活性剤による刺激反応を起こしやすく、

その場合、48時間目の反応より72時間目、1週間目の反応が弱まっていることや、パッチテスターの

円形にびまん性に紅斑を呈するのではなく円周性に紅斑を呈する形であったり、などのことから

アレルギーではなく刺激反応と結論づけるのですが、今回は、リンスや石鹸には反応なく、

1週間目にても紅斑反応が強く、シャンプーは陽性と判定しました。

Kathon CGは防腐剤(イソチアゾリノン系抗菌剤)であり、外国製の化粧品や、国産ではシャンプー、

リンスなどの洗い流す製品に含まれている物質です。

それで、もう一度シャンプーを持参してもらい、成分を見たところ、Kathon CGが含有されていました。

その結果、現在使用中のシャンプーの使用を禁止し、今後は、Kathon CGを含有しないシャンプー

を使用するように、との指導をいたしました。

それにより1年間続いていた症状は数日で軽快しました。

パッチテスト時にJPSを同時に貼付することにより、真の原因物質まで特定でき、結果、長期間

続いていた症状を短期間で軽快せしめるのみならず、今後に使用し得るものまで指示し得た

教訓的な症例です。

やはりパッチテストは皮膚科診療において重要な検査です。

※シャルムクリニックでは、これまで、エステに関しては水曜日は


お受けしておりませんでしたが、水曜日ご希望の方も多く、


5月より、エステの2回目以降の方に限り、お受けできるように


いたしました



初回の方に関しましては、従来とおり、水曜日はお受けしておりません


のでご理解の程宜しくお願い致します。