こんにちは
院長の櫻井です
いまさっき、笑気を吸いながら、額・眉間・鼻根・アゴ・エラにボトックスを打ってもらい終わった
ところです
さて、先日の続き。
私が日々の臨床において大切と思うことについて。
・診断においては、常に他の疾患を鑑別に考えながら、合理的に診断しなければならない。
その際には、疫学的考察(つまりは頻度)だけではなく、重症度および治療の方向性を考慮に
入れるべきである。例を挙げれば、真夏に小児が体幹部の多発する紅色丘疹で受診した場合。
この場合、頻度的には汗疹(あせも)や虫刺されが多いだろう。しかしそれだけで説明がつくかを
考えてみる。たとえば、膿疱が混じている場合、毛包炎も考えるべきである。この場合、汗疹や
虫刺されであれば、この二者の厳密な鑑別はつかなくとも、治療は両者ともステロイド外用で
よいので問題はないのだが、毛包炎であった場合は抗菌剤治療が必要であり、ステロイド外用で
悪化するので、前二者と後者との鑑別は厳密に行わなくてはならない。その場合、毛包炎を
肯定する、あるいは否定する根拠がなくてはならない。痒みの有無もある程度の証左とはなり得る
が、多発毛包炎で若干の痒みをもつケースは珍しくはない。汗疹であれば毛孔一致性ではなく、
毛包炎はもちろん毛孔一致性であるので、ダーモスコピーでの皮疹の詳細な観察は、かなりの
suggestionを与えてくれるはずである。さらに重症度を考えれば、水痘も見落としてはならない。
なぜなら他者に対する感染源となるからである。つまり小児で多発する紅色丘疹があり、水痘の
既往がない場合は、たとえ予防接種をしていても、first vaccine failureがあり得るわけであるから、
水痘は少なくとも必ず鑑別に入れなくてはならない。ここで紅色丘疹がやや大きめであったり、
あきらかな漿液性丘疹や小水疱を混じている場合は、積極的に正しい手順で鑑別する必要
がある。すなわちGiemsa染色を実施する必要がある。
・こう見ていくと、単純に写真と疾患を1対1対応で結びつけて覚えるのではなく、各疾患の
診断根拠から理解する必要がある。また、それに必要な検査を身につけておく必要がある。
to be continued…