これは知っていれば即座にわかるけれども、知らないとおそらく答えは考えつかない問題。

症例:20代、女性

現病歴:数ヶ月前に汎発型帯状疱疹で入院歴がある。今回、殿部から右下腿にかけて疼痛を伴う

漿液性丘疹・浮腫性紅斑が出現し当院受診。

既往歴:特になし

直近に帯状疱疹に罹患したばかりの基礎疾患のない若年成人に生じた帯状疱疹様の皮疹を

どう考えるか?

ここでまずギムザ染色を実施したところ、ウイルス感染多核巨細胞は陽性。

さて診断は?

A.Zosteriform Herpes Simplex

それでは、帯状疱疹ではなく上記疾患と確定診断するための、外注検査ではなく即座に診断できる

検査方法は?

A.ヘルペス抗原検出検査(イムノクロマト法)

15分程度でHSV-1,2の有無を検出できます。

このような微に入り細を穿つ論理的な診療を実践するよう、常に心がけています。

知識・テクニックは知っていても使えないと意味がありません。

いかに適切なタイミングで、適切な知識を頭の引き出しから抽出できるか、テクニックを駆使できるか、

これこそが医師の「診たて」というものではないでしょうか。