本日の症例より。
症例:70代、女性
現病歴:鼻翼部・両頬に痒みのある紅斑が出現し数ヶ月前に当院初診。初診医は脂漏性皮膚炎と
診断し、ニゾラールローションを処方したが改善に乏しく、私が診察。脂漏性皮膚炎の診断は正しいが、
ニゾラールローションのみでは炎症を抑えきれていない状態であり、なおかつ、鼻翼部位に毛細血管
拡張も認めたため、0.03%プロトピック軟膏を開始。その後速やかに改善し、経過良好であったが、
ここ最近悪化してきたため本日再診。両頬に痒みのあるびまん性紅斑を認め、粟粒大の毛孔一致性
の膿疱が散在している。
さて診断は?
A.毛包虫性皮膚炎
顕微鏡検査にて多数の毛包虫を検出しました。
ステロイド酒さならぬタクロリムス酒さにおける毛包虫の存在が話題となっている通り、
刺激感以外でのプロトピックの唯一の弱点と言えるのが、毛包虫性皮膚炎の誘発です。
治療は、プロトピックを中断し、イオウカンフルローション外用にて軽快します。