こんにちは
院長の櫻井です
夏で、こうも暑いと、やはり、とびひで受診されるお子さんが多いです。
私はとびひの治療において、必ず細菌培養検査を実施します↓

とびひにおいては、起因菌として、黄色ブドウ球菌、溶連菌が有名ですが、最近では起因菌の
約30%はMRSAとの報告があります。
MRSAは、一般的にとびひに対して処方するセフェム系抗菌剤に対して耐性があり、
そのため、MRSAに対しては、使用する抗菌剤を変更しなければなりません。
しかしMSSAとMRSAとでとびひの臨床像に差異はないので、どのように鑑別するか?
そこで重要なのが、細菌培養検査・感受性検査ということになります。
検査結果は4日目には報告が上がりますので、当院においては治療開始して4日目頃に
再診を指示しており、MRSAであった場合は抗菌剤を変更する、という方針としております。
(エキスパートオピニオンにおいて、3日目に再診して効果不十分であればMRSAとして対処する、
という方法もありますが、やはり起因菌が確認できたほうが治療方針にぶれが出ません。)
また、この写真に示すように、水疱性伝染性膿痂疹においても溶連菌との混合感染もしばしばあり、
その場合には、万が一の腎炎発症に関して注意を喚起することもできます。
さらに言えば、とびひは兄弟間でうつしあうことも多く、その場合、先行感染者の起因菌が
確認できている場合、遅れて発症した子の起因菌も同様であるとの想定のもとに治療を
開始することが可能となります。(もちろんその際にも細菌培養検査は実施しておきます。)
私は、診断・治療に反映される検査しか行わないように心がけていますが、その意味において、
細菌培養検査はマストの検査と言えます。