今日は教科書的典型例。

症例:30代、女性

現病歴:昨年冬頃から両下腿に皮疹が出現し、他院受診したところ自然に治ると言われるも

改善しないため当院初診。

現症:写真に示すように、両下腿に皮下に浸潤・一部は結節を触知する紅斑が多発している。

自覚症状は伴わない。

(表現を詳しく記載してしまうとそれで病名がわかってしまいますので、あとは写真で考えてください。)

さて診断は?

A.結節性多発動脈炎

環を描くように紅斑が並んでおり、いわゆるlivedo racemosaの状態ですね。

これと結節ときたら、結節性多発動脈炎をまずは考えなくてはなりません。

初診時に、早速2ヶ所から生検(血管炎を考える場合は最低でも2ヶ所は必要。皮下組織の病変を

考える場合はパンチ生検はダメです。)を実施し、病理組織も典型的でした。

確定診断がつき次第、東大病院皮膚科を紹介し、入院となりました。

全身精査後、プレドニン+ワーファリン内服が開始となりました。(昨日東大皮膚科教授回診に

参加してきましたが、当患者さんは現在も入院中でした。)

こういう症例をスマートに診断できたときは、してやったり、と思います得意げ