今日は教科書的典型例から。
症例:7歳、男児
現病歴:初診の前日から急に体を痒がりだし紅斑が出現してきたため当院初診。
既往歴:特記すべきことなし
現症:写真に示すように、躯幹・四肢に掻破に沿って浮腫性紅斑が多発し、強い痒みを伴う。
全身状態は極めて良好。
さて診断は?
A.しいたけ皮膚炎
線状皮膚炎には4つの鑑別疾患(さて何でしょう?)がありますが、全身状態が極めて良好であり、
既往歴が特にないことから、しいたけ皮膚炎と、皮膚筋炎で筋症状を伴わないものの2択に
絞り込めます。(小児皮膚筋炎なんていないよ、と言わないでくださいね。先日当院で診断して
東大病院に紹介・入院になったお子さんがいました。)
本症例では、Gottron徴候・ヘリオトロープ疹・蝶形紅斑・爪囲紅斑・NFBなど皮膚筋炎を積極的に
疑う症状は全くなく、問診にて皮疹出現の2日前に鍋でしいたけを食べていたことが確認できました
ので、しいたけ皮膚炎と容易に診断がつきました。
こういうケースで、見た瞬間に「しいたけ食べました?」と聞いて、「え!?何でわかったんですか!?」
とびっくりされるのが、してやったり、と悦に入ったりするものです。