今日はプロの皮膚科医向けの雑談的お話。
症例は40代、男性。既往歴に特記すべきことなし。
1年以上前より、後頚部に、500円玉大までの大きさで、自覚症状を伴わない、
軽度隆起した浸潤のある円形の紅斑局面が散発してきた。
他院で特に診断を言われずステロイド外用剤を処方されるも変化がないため、
当院初診。
初診時には、環状肉芽腫やサルコイドーシスなどを強く疑い生検および血液検査
を実施。それと同時に生検部位以外の皮疹に対してstrongest classのステロイド
外用を開始。
そして1週間後の抜糸を迎えて・・・皮疹の変化はなく、血液検査は全く異常所見は
ありませんでしたが、
なんと、病理診断は、まさかのneutrophilic dermatosis!
発熱等全身症状なく、Sweetは否定的。
関節症状もなく、RAは否定的。
口内炎や外陰部潰瘍、針反応はないもののBehcetは鑑別する必要があるため、
眼科を紹介 →異常所見なしとの返事。
LABD、Duhringも鑑別するため、蛍光抗体法を提出。
EEDは病理組織上血管炎の所見はなく否定的。
というところです。
さしあたってビブラマイシン内服+タクロリムス外用として、蛍光抗体法の返事待ちです。
あるいはよもやの壊疽性膿皮症?生検部の傷の経過は全く異常はなかったですが・・・
なかなか悩ましい症例です。