今日はdiagnosis at a glanceで。

症例:40歳、男性

現病歴:発症時期ははっきりしないが左1趾後爪郭部に黒色の角化性局面が出現し

徐々に増大したため当院初診。

現症を写真に示す。

さて診断は?

A.pigmented Bowen’s disease(上皮内有棘細胞癌)

即日生検し、確定診断に至りました。

植皮+術後の安静・臥床が必要なため、入院手術目的に東大病院皮膚科紹介と

しました。

40歳と発症年齢が若いこと、後爪郭と特殊な部位に生じていることが本症例の特徴

です。

爪周りにはいわゆる爪下Bowen病のようにパピローマウイルスの関与が示唆される

Bowen病が発生することが知られている部位ですので、本症例についても、病理組織

にて特殊染色はしていませんが、パピローマウイルスが関与している可能性も考えら

れます。発症年齢が若いのも、Bowenoid papulosisという疾患を想起すれば、合点が

いきますね。