先日の症例より。

 

症例:30代、女性

 

現病歴:3017/3/23の朝、両下腿に皮疹が出現したのに気づき同日当院初診。

 

全身状態は極めて良好。

 

現症:両下腿から両足背にかけて、自覚症状を伴わない粟粒大の点状の紫斑

 

が多発し、一部にはごく軽度隆起するものもある。

 

 

 

 

さて診断は?

 

 

 

 

 

 

A.IgA血管炎

 

 

 

 

ちょうど先日、小児の本症についてブログ(http://ameblo.jp/charme-clinique/entry-12259360346.html

 

を書いたところでしたね。

 

紫斑が非常に小型でしたが、写真に示すとおりKobner現象が認められましたので、

 

IgA血管炎をまず鑑別に、即、生検および血液検査・尿検査を実施しました。

 

病理組織学的に血管炎と確定診断に至りました。(蛍光抗体法はpending。)

 

血液検査・尿検査に異常は認めませんでした。(ANCA陰性、LAC陰性、

 

抗カルジオリピンβ2GPI複合体抗体陰性、高ガンマグロブリン血症なし)

 

本日再診時に皮疹は消退傾向であり、腹部症状・関節症状はありませんでした

 

が、腎炎発症のリスクのある疾患のため、内科紹介としました。

 

IgA血管炎は年数例、結節性多発動脈炎も年1,2例程度は初診で来院しますので、

 

決して血管炎は稀な疾患ではない、ということです。