今日はDiagnosis at a glanceで。

 

症例:20代、女性

 

現病歴:1年前より左下腹部に自覚症状を伴わない皮疹が出現。他院受診

 

するも特に何も言われず経過観察となった。徐々に増数してきたため、5/18

 

当院初診。

 

現症:写真に示す。

 

 

 

 

 

さて診断は?

 

 

 

 

 

 

 

 

A.慢性色素性紫斑(中でも、Gougerot-Blum病)

 

 

 

 

 

 

初診日に生検し、病理組織学的に確定診断に至りました。

 

慢性色素性紫斑は、診断はついても治療がなかなか困る疾患ですが、

 

Gougerot-Blumやlichen aureusは、病理組織ではlichenoid infiltrationを

 

認めるためステロイド外用剤の効果が期待できるので、生検と同時に

 

外用を開始し、本日抜糸時に皮疹は消退傾向にありました。

 

問題はいかに新生を予防するか、で、この疾患の性質上、そこはなかなか

 

難しく、無治療で経過観察するのも十分な選択肢ですが、患者さんの治療希望

 

が強く、シナール・トランサミン・温清飲内服を開始しました。光線療法も効果が

 

ある場合もあり自験例でもその経験があることから、本症例でも一応治療の

 

選択肢として考慮はしています。