昨日は光線療法のセミナーに参加してきました。

 

~光線療法とは?

光線療法(紫外線治療)は、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、

皮膚科の治療の中では薬物治療・外科的治療に並ぶ大きな柱の一つであり、

また、他の科にはない特徴でもあります。乾癬・掌蹠膿疱症・白斑・円形

脱毛症・難治性アトピー性皮膚炎・皮膚掻痒症・結節性痒疹・類乾癬・

皮膚悪性リンパ腫など様々な疾患に有効です。歴史的にはGoeckerman療法

が有名ですが、現在主に行われている治療としては、PUVA療法・ナロー

バンドUVB療法・UVA-1療法、エキシマライト療法があります。それぞれ

長所・短所、適応疾患の若干の違いなどがありますが、当院では、ナロー

バンドUVB療法およびエキシマライト療法を採用しております。

(ともに保険適応の治療です。)~

 

光線療法は非常に有用な治療法であり、内服薬・外用薬だけでは一筋縄では

いかなかった病態を、一気に解決に導いてくれることもしばしば経験します。

どのタイミングで光線療法を開始するのかには医師の個人差がありますが、

私は医局の大先輩の東京逓信病院皮膚科部長の江藤先生に薫陶を受けており、

少しでも一般治療に抵抗性と考えた場合には、次の手として即座に開始して

います。

しかし光線療法が万能かというとそうではなく、やはり限界もありますし、

また、その場合にさらに次の手をどうするか、という問題があります。

昨日のセミナーでは、尋常性白斑に対する光線療法(皮膚科専門医であれば

わかる、この難しさ・・・)がテーマであり、植皮+光線療法でも手詰まり

なときにどうするか、という非常に興味深い話があり、早速新しい治療を

取り入れることとしました。

当院で白斑の治療中で効果が頭打ちの患者さんにおすすめしていき

たいと考えています。