今日は研修医向け出題。

症例:90代、女性

現病歴:3日前から右第3指基部に自覚症状を伴わない膿疱・小水疱が

多発し、同部から手背・前腕にかけて線状の紅斑が出現した。その後、

紅斑は改善してきたものの手指の皮疹に改善がないため、本日当院

初診となった。

既往歴:これまで同症の既往なし

現症:写真に示す通り。

 

 

 

 

さて、ここですべきことは?

 

 

 

 

A.ギムザ染色

 

 

 

診断はヘルペス性ひょう疽です。鑑別診断として、真菌感染症、汗疱、

伝染性膿痂疹、固定薬疹などを考えます。水疱が多発集簇している

臨床像は強くヘルペス感染症を示唆するため、ギムザ染色および

真菌顕微鏡検査もあわせて実施し、ギムザ染色にてウイルス感染多核

巨細胞陽性でしたので確定診断に至りました。手背のリンパ管炎は

細菌二次感染を示唆するため、抗ウイルス剤内服+抗菌剤内服と

しました。

なおヘルペス性ひょう疽は医療従事者に多いとされていますが、本症例

では過去に医療に従事はしていませんでした。