今日は有名だけれども滅多に見ることのない「日光蕁麻疹」の
症例。
症例:3歳、男児
家族歴:母親がSLEにて治療中
現病歴:以前より日に当たると、服から出ている部位のみ膨疹が
出現し、しばらくすると消失するエピソードを繰り返していた。
他院にて日光蕁麻疹と言われ、ザイザルシロップを服用中。
精査を希望し先日当院初診となった。
皮膚科外来でよく「日光蕁麻疹」を主訴に受診する方の殆どは、
多形日光疹という光線過敏症ですが、本症例はエピソードからは
日光蕁麻疹で間違いなさそうです。
母親がSLEのため、息子にもそのポテンシャル(LEの光線過敏)
がないかを心配していたため、他の光線過敏症のスクリーニング
も兼ねて、血液・尿検査を実施し、血算・一般生化学に異常なし、
抗核抗体・抗ds-DNA抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗ARS抗体、
抗SS-A抗体全て陰性、EBV抗体価既感染パターン、血中ポルフィリン
および尿中ポルフィリン陰性、IgE270と高値でした。
初診日はザイザルを服用中であったため、ザイザルを3日前から休薬して
本日再診し、誘発検査を実施しました。
すると・・・、
上が可視光線(プロジェクターランプを使用)、左下がUVA、
右下がUVBを照射した写真ですが、見事に可視光線で誘発されて
います。
これで何がわかるかというと、本症例の作用波長は可視光線であり、
つまり、サンスクリーン剤(ターゲットはUVA・UVBです)が効果
を持たない、可視光線はガラスを透過して室内に入ってくるため室内
でも注意が必要、ということがわかります。問診でも、曇りの日でも
症状が出現する、とのことでしたので、この検査結果から説明できます。
当院は、アトピー性皮膚炎・乾癬・白斑・円形脱毛症・陥入爪・手術・
美容医療でこの近辺では有名なようですが、実は、先日の血管炎の症例や
本症例のような、common diseaseではない非常に専門性の高い疾患にも
対応しているという自負があります。
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