今日は教科書的な症例。
症例:40代、女性
現病歴:以前より手湿疹があり、他院でステロイド外用・抗ヒスタミン薬内服
などで加療するもいまいち改善に乏しく当院初診。仕事ではゴム製品の製造など
に携わっている。真菌顕微鏡検査陰性。
難治性手湿疹なので、まずはジャパニーズスタンダードアレルゲン+
金属のパッチテストおよびラテックスRAST測定を実施しました。
ラテックスRASTは陰性でした。
パッチテスト72時間目の写真↓
31番目の、PPD black rubber mixが陽性でした。
これは、黒色のゴム製品に使われるゴム老化防止剤です。
ゴムのアレルギーといえばラテックスや加硫促進剤が有名ですが
本症例ではこの抗原が陽性でした。
問診にて毎日素手でゴムパッキンを使っていることが判明しました
ので、綿手袋をして作業するよう指導しました。
また、本抗原はパラフェニレンジアミンとの交差反応性も知られており、
今後、毛染めをする際にはかぶれる可能性があるので要注意とも
指導しました。
パッチテストは手間がかかるしその割に保険診療点数は非常に安く
なかなか報われない検査ですが結果がクリアーに出るので、スタッフには
負担をかけて申し訳ないですが積極的に行っています。