今日は研修医向け出題。

症例:10代、女性

現病歴:幼小児期から腰部に陥凹した局面が存在し、他院ではただの傷跡

といわれていたが変化がないため当院初診。

現症:写真に示す。腰部に10cmX3cm大で周囲より陥凹した表面が萎縮性の

局面が存在し、特に辺縁に色素沈着が目立つ。なお、他の部位に同様の皮疹は

存在しない。

 

 

 

 

さて診断は?

 

 

 

 

A.斑状強皮症(morphea)

 

 

当日生検を実施し、病理組織学的に確定診断に至りました。

血液検査上、抗核抗体、抗ss-DNA抗体・抗Topo-1抗体・抗セントロメア抗体・

抗RNAポリメラーゼⅢ抗体を含む自己抗体はすべて陰性、sIl2-Rも正常範囲内

でした。

膠原病や血管炎は決してまれな疾患ではなく、見過ごされているだけの

ことも多いので、常にアンテナを張って診療する必要があります。