今日は研修医向け出題。
症例:20代、女性
現病歴:小学生頃より略全身に自覚症状を伴わない脱色素斑および
落屑性紅斑が多発し、尋常性白斑と言われて光線療法を数回受けた
既往がある。治療希望にて当院初診。
現症:写真に示すように、略全身に小型から大型の不完全脱色素斑
が多発し、その内部に、細かい鱗屑を多数付着する強い浸潤を
触れる紅斑を伴う。一部は色素沈着を伴う。
さて診断は?
A.菌状息肉症(mycosis fungoides)(=皮膚T細胞リンパ腫の一型です)
本疾患を強く疑い初診当日に生検を実施し、病理組織学的に
確定診断に至りました。
血液検査上、末梢血および分画に異常なく、sIL2-R 584と軽度高値、
抗HTLV-1抗体陰性、TARC・LDH・cCa正常範囲内でした。
今後、医療連携し全身精査を実施し、光線療法で治療を開始していく
予定です。